集合論(その2)

 A、Bを個体とする。
・A⊂B は、∀x((x∈A)⇒(x∈B))の短縮形である。もちろん、これは派生的命題。⊂は派生的述語と言える。あくまでも、便宜上のもの。意味は、「AはBの部分」。
・A=B は、(A⊂B)∧(B⊂A)の短縮形。派生的命題。=は派生的述語。同様に便宜上ののもの。意味は、「AとBは等しい」。
・{A, B}は、{x|(x=A)∨(x=B)}の短縮形。2パラメタの派生的個体。意味は、「AとBを含む個体」。派生的個体の短縮形は、記号≡の左辺で表すことにする。この場合は、{A, B}≡{x|(x=A)∨(x=B)}。
・A∪B≡{x|(x∈A)∨(x∈B)}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AとBの合併」。
・A∩B≡{x|(x∈A)∧(x∈B)}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AとBの共通」。
もっと一般的な合併と共通を与える。
・∪A≡{x|∃y((x∈y)∧(y∈A))}。
・∩A≡{x|∀y((y∈A)⇒(x∈y))}。
両方とも、1パラメタの派生的個体。
∀A∀B(∪{A, B}=A∪B)、
∀A∀B(∩{A, B}=A∩B)、
これらは、定理。

・Pow(A)≡{x|x⊂A}。1パラメタの派生的個体。意味は、「Aの部分の集まり」。
・(A、B)≡{A、{A、B}}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AとBの対という個体」。
このとき、∀A∀B∀C∀D(((A、B)=(C、D))⇒((A=C)∧(B=D)))は、定理。
・A×B≡{x|∃y∃z((x=(y、z))∧(y∈A)∧(z∈B))}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AとBの直積」、または「AとBの元の対の最大の集まり」。
・(f(x)=y)は、((x、y)∈f)の短縮形。3項の派生的述語の命題。「・(・)=・」という形自体が、派生的述語を表していることに注意。また、その命題は派生的命題ではなく、れっきとした原始的命題の部類に入る。意味は、「yはxにおけるfの値」。
・(f:A〜B)は(∀x((x∈A)⇒∃y((y∈B)∧(f(x)=y))))の短縮形。3項の派生的述語の命題。これも、「・:・〜・」という形自体が、派生的述語を表していることに注意。この命題は派生的命題の部類。意味は、「fはAからBへの関係?」。
・Single_Val[A、B、f]は、∀x∀y∀z∀w(((x∈A)∧(y∈A)∧(z∈B)∧(w∈B)∧(f(x)=z)∧(f(y)=w)∧(x=y))⇒(z=w))の短縮形とおく。(3項の派生的述語。意味は、「fは1価」。)
・(f:A→B)は((f:A〜B)∧Single_Val[A、B、f])の短縮形。3項の派生的述語の命題。これも、「・:・→・」という形自体が、派生的述語を表していることに注意。この命題は派生的命題の部類。意味は、「fはAからBへの写像」。写像というとき、1価を前提にすることにした。多価のときは、原始的写像とでも呼ぼう。
・Map0(A、B)≡{f|f:A〜B}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AからBへの原始的写像の集まり」。
・Map(A、B)≡{f|f:A→B}。2パラメタの派生的個体。意味は、「AからBへの写像の集まり」。
∀A∀B(Map(A、B)⊂Map0(A、B)⊂Pow(A×B))、
∀A∀B(∪{x|∃y(x=Map0(y、B))∧(y⊂A)}=Pow(A×B))、
は定理(かな?)。

 次は、2つ目の原始的述語が登場。それは、「Aは集合である」を意味する述語。次回へ。